「後遺障害12級」とは

Q
「後遺障害12級」とは?
A

後遺障害12級とは、身体に後遺障害が残り、その程度として労働能力を14%喪失した状態です。

「後遺障害12級」となりやすい外傷や症状、診断名

Q
「後遺障害12級」となりやすい外傷や症状、診断名は?
A

むちうち、頚部捻挫、頸椎捻挫、頸部挫傷、頸部打撲、外傷性頸部症候群、滑車神経麻痺、瞼下垂、肋骨骨折、骨盤骨折、鎖骨骨折、肩甲骨骨折、胸鎖関節脱臼、舟状骨骨折、TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)、肩鎖関節脱臼、SLAP損傷 (上方関節唇損傷)、内側側副靱帯損傷、肩関節脱臼、腱板断裂、胸鎖関節脱臼、上腕骨近位端骨折、肘関節脱臼、尺骨茎状突起骨折、大腿骨頚部骨折、脛骨顆部骨折、脛骨顆間隆起骨折、股関節後方脱臼、股関節後方骨折、股関節唇損傷、前十字靭帯損傷(ACL損傷)、後十字靭帯損傷(PCL損傷)、内側側副靭帯損傷(MCL損傷)、複合靭帯損傷、大腿骨骨幹部骨折、脛骨・腓骨骨幹部骨折、上腕骨骨幹部骨折、ショパール関節・リスフラン関節脱臼骨折、中足骨骨折、趾骨骨折、非骨傷性頸髄損傷、椎骨脳底動脈血行不全症(めまい)、胸郭出口症候群、CRPS、脛骨骨折、半月板損傷、腓骨神経麻痺、足関節骨折、足関節果部骨折、踵骨骨折、距骨骨折、外貌醜状頭部外傷、頭蓋骨骨折、頭部打撲、耳鳴り、嗅覚の脱失、動揺関節などです。

後遺障害12級の詳細は、下記でご確認ください。

推定読書時間: 17

後遺障害12級 認定基準 一覧表

後遺障害12級に認定される症状は以下の9つです。

後遺障害12級障害の内容
1号1眼の眼球に著しい調整機能障害又は運動障害を残すもの
2号1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3号7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
4号1耳の耳殻の大部分を欠損したもの
5号鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
6号1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
7号1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
8号長管骨に変形を残すもの
9号1手のこ指を失ったもの
10号1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
11号1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの
12号1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14号外貌に醜状を残すもの
後遺障害等級12級

1眼の眼球に著しい調整機能障害又は運動障害を残すもの

調整機能」とは、眼のピントを合わせる機能です。調整機能が2分の1以下になると「著しい調整機能障害」となります。

また「著しい運動障害」とは、眼を動かして直視できる範囲が2分の1以下になった状態をいいます。

1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの

まぶたに著しい運動障害を残す」とは、

  • まぶたを開いても瞳孔(黒目の中心)が隠れている
  • まぶたを閉じても黒目を完全には覆えない

のいずれかに当てはまる状態です。

7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

歯科補綴」とは、なくなったり著しく欠けたりした歯を、かぶせものや入れ歯などの人工物で補うことです。

歯科補綴をした歯が7~9だと12級になります。それ以上になると、より上位の等級が認定されます。

1耳の耳殻の大部分を欠損したもの

耳殻」とは、耳のうち、外に張り出している部分です。

耳殻の大部分を欠損」とは、耳殻が2分の1以上欠けてしまった状態をいいます。

鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの

著しい変形」とは、裸になったときに目で見てわかるほど骨が変形していることです。レントゲンを見ないとわからないケースでは認定されません。

1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

上肢の3大関節」とは、肩関節、ひじ関節、手関節(手首)の3つの関節です。

関節の機能に障害を残す」とは、関節の可動域(動かせる範囲)が4分の3以下になった状態を指します。

1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

下肢の3大関節」とは、股関節、ひざ関節、足関節(足首)の3つの関節です。

関節の機能に障害を残す」とは、上肢の場合と同様、関節の可動域が4分の3以下になった状態を指します。

長管骨に変形を残すもの

長管骨」とは、腕や足の長い棒状の骨です。

具体的には、

  • 上腕骨
  • 橈骨(とうこつ)
  • 尺骨(しゃっこつ)
  • 大腿骨(だいたいこつ)
  • 脛骨(けいこつ)
  • 腓骨(ひこつ)

を指します。

これらの骨に変形があれば12級が認定されます。

1手のこ指を失ったもの

指を失った」には、指を根元からなくした場合に加えて、第2関節より上が切り離されたケースも含まれます。

1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの

指の用を廃した」とは、

  • 末節骨(指の先端の骨)の2分の1以上を失った
  • 第2関節あるいは第3関節の可動域が2分の1以下になった
  • 指の痛み、温度、触感といった感覚が完全に失われた

のいずれかに当てはまる状態です。

1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの

第2の足指」は人さし指、「第3の足指」は中指のことです。

すなわち、

  • 足の人さし指を失った
  • 足の人さし指を含む2本の指を失った
  • 足の中指、薬指、小指をすべて失った

ケースが該当します。

足指を失った」は、手指の場合とは異なり、根元から完全に失われた場合のみを指します。

1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの

第1の足指」とは親指のことです。

足指の用を廃した」とは、

  • 親指の末節骨(指の先端の骨)の2分の1以上を失った
  • 「親指以外の指」が根元から第1関節の間で分離された
  • 親指は第1・2関節、それ以外の指が第2・3関節の可動域が2分の1以下になった

状態のいずれかを指します。

局部に頑固な神経症状を残すもの

神経症状」とは、神経系が侵されて生じる

  • 痛み、しびれ
  • 運動障害
  • 頭痛、めまい、吐き気

といった症状です。

頑固な神経症状」と認められるためには、症状をレントゲン・MRIなどの客観的な証拠から説明できる必要があります。

むちうちで問題になるケースが多いです。詳しくは下記からご確認ください。

外貌に醜状を残すもの

外貌」とは、頭、顔、首といった日常生活で露出する部分です。腕や足は含みません。

醜状を残す」といえるためには、

  • 頭にニワトリの卵より大きい傷跡が残った、頭蓋骨がニワトリの卵より大きく欠けた
  • 顔面に10円玉より大きい傷跡あるいは長さ3cm以上の傷跡が残った
  • 首にニワトリの卵より大きい傷跡が残った

のうち、いずれかの条件を満たす必要があります。

また、眉毛や頭髪で隠れている場合には認められません。

後遺障害12級の詳細の基準

後遺障害12級に認定される基準は、下表の通りです。

後遺障害12級の詳細解剖学的部位後遺障害の程度
後遺障害12級1号1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
後遺障害12級2号1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
後遺障害12級3号7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
後遺障害12級4号1耳の耳介の大部分を欠損したもの
後遺障害12級5号脊柱体幹骨鎖骨、胸骨、肋骨、肩甲骨、骨盤骨に著しい変形を残すもの
後遺障害12級6号上肢 (上肢及び手指)1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
後遺障害12級7号下肢(下肢及び足指)1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
後遺障害12級8号上肢 (上肢及び手指)長管骨に変形を残すもの
後遺障害12級9号上肢 (上肢及び手指)1手の小指を失ったもの
後遺障害12級10号上肢 (上肢及び手指)1手の示指、中指又は薬指の用を廃したもの
後遺障害12級11号下肢(下肢及び足指)1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの
後遺障害12級12号下肢(下肢及び足指)1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
後遺障害12級13号胸腹部臓器軽微な、すい液瘻を残したために皮膚に疼痛等を生じるもの
後遺障害12級13号神経系統の機能又は精神通常の労務に服することはでき、職種制限も認められないが、時には労務に支障が生じる場合があるもの
後遺障害12級13号神経系統の機能又は精神運動性、支持性、巧緻性及び速度についての支障がほとんど認められない程度の軽微な麻痺を残す場合
後遺障害12級13号神経系統の機能又は精神運動障害は認められないものの、広範囲にわたる感覚障害が認められる場合
後遺障害12級13号神経系統の機能又は精神発作の発現はないが、脳波上に明らかにてんかん性棘波を認めるもの
後遺障害12級13号神経系統の機能又は精神通常の労務に服することはできるが、時には強度の疼痛のため、ある程度差し支えがあるもの
後遺障害12級13号神経系統の機能又は精神通常の労務に服することはできるが、時には労働に差し支える程度の疼痛が起こるもの
後遺障害12級13号神経系統の機能又は精神通常の労務に服することはできるが、時には労働に差し支える程度の強い頭痛がおこるもの
後遺障害12級13号神経系統の機能又は精神通常の労務に服することはできるが、めまいの自覚症状があり、かつ、眼振その他平衡機能検査の結果に異常所見が認められるもの
後遺障害12級14号頭部・顔面・頸部外貌に醜状を残すもの
後遺障害12級相当胸腹部、背部、殿部胸部及び腹部、又は背部及び臀部の全面積の2分の1以上の範囲に瘢痕を残すもの
後遺障害12級相当味覚を脱失
後遺障害12級相当耳鳴に係る検査によって難聴に伴い著しい耳鳴が常時あると評価できるもの
後遺障害12級相当30db以上の難聴で、常時耳漏を残すもの
後遺障害12級の詳細

「後遺障害12級」の慰謝料の金額や相場

Q
「後遺障害12級」の慰謝料の金額や相場は?
A

「後遺障害12級」の自賠責保険基準での慰謝料は94万円、裁判基準での慰謝料相場は290万円です。慰謝料には、弁護士が交渉する場合に基準とする裁判基準と、保険会社が提示する金額に近い自賠責保険基準があります。


後遺障害12級の自賠責保険基準での慰謝料は94万円、裁判基準(弁護士にご依頼をいただいた場合にベースとする基準)での慰謝料相場は290万円です。

後遺障害12級の場合、弁護士にご依頼をいただくと被害者が受け取る慰謝料が大きく上がる可能性があります。

お客様の場合に具体的に慰謝料の金額はいくらになるのか、弁護士法人サリュの無料相談で弁護士にお聞きください。

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後遺障害12級の逸失利益の相場・計算例

後遺障害12級は労働能力喪失率が14%とされていますので、本来、逸失利益の計算は労働能力喪失率14%を前提に計算します。しかし保険会社が労働能力喪失率について異なる提案をしてくる場合もあります。

保険会社から示談の提示を受けた場合はそのままサインはせず、お早めに弁護士法人サリュの無料相談をご利用ください。保険会社の提案が妥当か経験豊富な弁護士が無料でチェックします。

後遺障害12級の逸失利益 計算例

後遺障害12級、年齢35歳、年収385万9400円*の被害者の場合の逸失利益 計算例

A【収入】B【労働能力喪失率】C【67 – (年齢)】D【Cに対応するライプニッツ係数】A*B*D【逸失利益の計算例】
385万9400円0.143220.388811,016,395円
後遺障害12級の逸失利益の計算例

(*令和3年賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査の女性労働者の全年齢平均賃金を例としています)

逸失利益に関する注意点

計算例のような後遺障害12級の被害者(例:年齢35歳、年収385万9400円)の場合、逸失利益は約1101万円となりますが、保険会社が自然とこのような水準の逸失利益を提示してくることはほとんどありません。
しかし弁護士に依頼をすると、後遺障害12級ではこのような水準をベースに逸失利益の示談交渉を進めることができます。後遺障害12級が認定された、または認定されそうな場合は、弁護士法人サリュの無料相談を利用されることをおすすめします。

弁護士の無料相談をご利用されたからといって無理にご依頼をすすめることはありません。安心してお気軽にお問い合わせください。

「後遺障害12級」と認定された場合、損害賠償請求で請求できる主な費目

Q
「後遺障害12級」と認定された場合、損害賠償請求で請求できる主な費目は?
A

治療費、入院雑費、入通院慰謝料、休業損害、後遺障害慰謝料、逸失利益などですが、具体的状況により異なってきます。請求もれをなくすために、弁護士法人サリュの無料相談でお気軽に請求費目をご質問ください。

後遺障害12級の弁護士無料相談

Q
「後遺障害12級」は弁護士に依頼した方が良いですか?
A

「後遺障害12級」の場合、弁護士に依頼された方が良いと考えます。被害者が受け取る慰謝料や賠償金額が大きく増額する場合がほとんどです。お気軽に弁護士法人サリュの無料相談をぜひご利用ください。

下記フォームから365日24時間いつでもお気軽に

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後遺障害等級12級について

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