交通事故で可能な限り慰謝料を増額し、高額な慰謝料を受け取りたいなら、基本的には交通事故は弁護士に依頼すべきです。
交通事故で怪我をしたときには、基本的に交通事故を弁護士に依頼するメリットが大きくなりますが、弁護士に依頼するとかえって「デメリット」が発生してしまうケースがないか、交通事故で慰謝料増額交渉を弁護士に依頼するデメリットとそれを回避する方法をご説明します。
慰謝料増額交渉を弁護士に依頼する3つのデメリットとリスク
交通事故で弁護士に慰謝料増額交渉を依頼するとき、以下の3つのデメリットやリスクには注意しましょう。
- 依頼の手間と時間がかかる
- 費用倒れになるおそれがある
- 良い弁護士に巡り会えない可能性がある
それぞれの詳細と対処方法をご説明します。
依頼の手間と時間がかかる
交通事故を弁護士に依頼するためには、弁護士を探さねばなりません。しかし一般の方にとって弁護士へのアクセスは簡単でないケースも多々あります。どうやって弁護士を見つけたら良いかわからない方も多いでしょう。
またどのような弁護士でも良いというものではありません。なるべく交通事故が得意で信頼できて、高額な慰謝料を勝ち取ってくれる弁護士を選定したいものです。そういった弁護士を探すのに手間と時間をとられます。
市役所や弁護士会でいろいろな弁護士に相談してみたけれど結局依頼につながらず、労力と時間を無駄にしてしまう方もたくさんおられます。
費用倒れになるおそれがある
交通事故を弁護士に依頼すると「弁護士費用」が発生します。多くのケースでは慰謝料が大幅に増額されるので弁護士費用を払っても得になりますが、中には費用倒れになってしまう事例もあります。
費用倒れになりやすいケース
弁護士に依頼するとかえって費用倒れになりやすいのは、以下のようなケースです。
なお、ご自身や同居のご家族が弁護士費用保険に加入していれば、以下のケースでも負担なく依頼が可能です。
- 通院1~3か月程度で完治する人身事故
通院1~3か月程度で完治する人身事故では、弁護士に依頼してもさほど慰謝料額が変わりません。弁護士費用を払うとほとんど利益が残らない可能性があります。
そもそも物損事故では慰謝料が発生しません。修理費用などのその他の賠償金についても、弁護士に依頼したからといって大幅な増額は困難なケースが多く、弁護士費用の分足が出てしまう可能性があります。
- 加害者が本人で支払能力がない
加害者が保険に入っていない場合、被害者は加害者へ直接賠償金を請求し、加害者から支払を受けなければなりません。加害者が収入が安定しいれば良いですが、加害者に支払能力がなかったら、裁判をしても賠償金を受け取れないでしょう。そうなると弁護士費用の分、マイナスになってしまいます。
弁護士に依頼すると経済的利益が大きくなるケース
以下のようなケースでは経済的利益が大きくなりやすいので、必ず交通事故を弁護士に依頼しましょう。
後遺症・後遺障害が残ったケースや死亡事故のケースでは1000万円以上増額される事例が少なくありません。
良い弁護士に巡り会えない可能性がある
交通事故で弁護士に依頼するデメリットの3つ目は「良い弁護士に巡り会えない」リスクです。ひと言で「弁護士」と言ってもいろいろな方がいます。交通事故が得意な方もいればそうでない方もいますし、「相性が悪い」「コミュニケーションをとりにくい」などの問題も発生するでしょう。
交通事故の慰謝料の問題を解決するには半年、1年という長い期間がかかるので、気に入らない弁護士に依頼すると大きなストレスを抱えます。また交通事故の治療中の対応に不得意な弁護士に対応を依頼すると、後遺障害認定手続きなどをフォローしてもらえず、思ったように慰謝料が増額されない可能性もあります。
交通事故で可能な限り慰謝料を増額させ利益を最大化するには「交通事故が得意で信頼できる良い弁護士」を選ばねばなりません。
交通事故トラブルを弁護士に依頼するとき、デメリットを防ぐ方法
交通事故の慰謝料増額交渉を弁護士に依頼するとき、デメリットを防ぐには以下のように対応しましょう。
交通事故を積極的に取り扱っている弁護士を選定
まずは弁護士選びが重要です。慰謝料をはじめとした賠償金をより大きく増額させるには「交通事故が得意」な弁護士を選ぶべきといえるでしょう。
たとえば以下のような要素に注目してみてください。
- 交通事故の解決実績が高い
- 交通事故に関する知識が豊富 保険会社との治療中の対応ができる
- 交通事故の被害者支援に積極的に取り組んでいる
効率的に弁護士を探す
弁護士探しの労力や時間を節約するには、効率的に弁護士相談を受ける必要があります。
具体的には以下のような方法があります。
- 知人、友人、親戚から紹介を受ける
これまでに弁護士にお世話になった方が身の回りにいれば、紹介してもらえます。ただ紹介された弁護士が交通事故に詳しいとは限りませんし、相性が合わない可能性もあります。
- 法テラスで相談
全国の「法テラス」では弁護士による無料相談を実施しています(ただし一定以上の収入があると有料相談となります)。法テラスで相談を受けた弁護士を気に入ったら、そのまま示談交渉を依頼できます。
- 弁護士会で相談
全国の弁護士会ではさまざまな分野の法律相談を受け付けています。法律相談を担当してもらった弁護士を気に入ったらそのまま依頼できます。
- 市町村役場で相談
市町村役場では、月に1~2回程度弁護士による無料法律相談を実施しています。担当してくれた弁護士を気に入ったらそのまま依頼できます。
- ネットで探す
今の時代、弁護士はネットで探せます。多くの法律事務所がホームページを作って公開しているので、さまざまな事務所のサイトを見比べて気に入った弁護士にアクセスできます。
弁護士事務所のサイトには、各事務所の特色が顕れています。交通事故が得意な事務所、離婚が得意な事務所、刑事事件が得意な事務所などさまざまです。弁護士のプロフィールや実績、注力分野や事件への取り組み姿勢も掲載されている場合もあるでしょう。交通事故関係の記載が多く、信頼できそうな弁護士事務所へ相談の申込みをすると良い弁護士を探せます。
費用倒れが心配なら成功報酬型の弁護士の利用も
費用倒れが心配なら成功報酬型の事務所を利用するのも良いでしょう。
成功報酬型とは、弁護士に当初支払う「着手金」がかからない方式です。弁護士報酬が「相手から実際に支払を受けられたとき」に発生するので、持ち出しのリスクが低下します。
気に入った弁護士へ依頼
交通事故で弁護士に効果的なはたらきをしてもらうには、交通事故が得意で依頼者本人が気に入った弁護士を選ぶ必要があります。ただ友人や知人による紹介を受けたり法テラス・弁護士会で相談を受けたりすると、事前に自分で気に入った弁護士を選ぶことはできません。
ネットで法律事務所の情報を検索し、交通事故に積極的に取り組んでいる弁護士を選定する方が良い場合もあります。
また実際に相談を受けてみて「話しやすい」「説明がわかりやすい」「信頼できそうな気がする」など、「自分に合った弁護士」に依頼することが大切です。交通事故の示談交渉や訴訟には長い時間がかかりますが、自分に合った弁護士ならストレスを感じずに一緒に乗り越えられるものです。
弁護士費用特約を利用
交通事故で弁護士に依頼すると費用がかかりますが、自動車保険の「弁護士費用特約」を利用すれば費用負担がなくなったり低減されたりします。
弁護士費用特約とは、自動車保険会社が弁護士費用を負担してくれる特約です。通常は300万円が限度額となっており、300万円までであれば保険会社が弁護士費用も実費も全額支払うので被害者に負担が発生しません。小さな事故や物損事故、費用倒れが懸念される事故でも安心して弁護士に依頼できます。
弁護士費用特約は、本人が契約している自動車保険だけではなく家族が入っている保険、火災保険などにもついているケースがあります。自動車やバイクに乗っていた場合だけではなく歩行中や自転車運転中の事故にも適用されるので、弁護士費用特約が利用できないか確認しましょう。
交通事故で怪我をしたら、まずは自分や家族の保険加入状況を確認し、適用できる保険がありそうなら保険会社に連絡をしてみてください。
弁護士費用特約の利用方法
弁護士費用特約を利用したいときには、以下の手順で対応しましょう。
- まずは保険会社へ連絡をして弁護士費用特約を利用できることを確認
- 保険会社の担当者の連絡先を聞く
- 依頼したい弁護士を探して相談を受ける
- 弁護士に「弁護士費用特約を利用したい」と伝え了承を得る
- 弁護士に保険会社の担当者の連絡先を伝える
あとは弁護士が保険会社の担当者とやり取りをするので、依頼者が対応する必要はありません。通常通りに弁護士が示談交渉などの対応を進め、費用は保険会社が負担するので依頼者が支払う必要はありません。
交通事故における「良い弁護士」とは
最後に交通事故において依頼すべき弁護士はどういったタイプなのか、基本的な考え方をご説明します。
交通事故の解決実績が高い
交通事故の対応を依頼するなら、できるだけ解決実績の高い弁護士を選びましょう。
法律事務所のサイト上に交通事故の解決実績や解決例などが提示されているケースも多いので、参考にしてみてください。
交通事故関係の法律問題に詳しい
交通事故については日々新しい判例が出たり法改正が行われたりして、法的な考え方や取扱い方法が変化しています。有利に解決するには交通事故の法律問題に詳しい研究熱心な弁護士を選びましょう。
交通事故に関する話題をサイト上にたくさん載せている弁護士や交通事故関係の本を執筆していたりする弁護士事務所は、研究熱心で交通事故に詳しい可能性が高いといえます。
コミュニケーションをとりやすい
どのような事件でも共通していえることですが、交通事故を弁護士に依頼するときに「コミュニケーション」が非常に重要です。担当者がついてくれて電話やメールがすぐにつながると安心です。
信頼できる、相性が良い
弁護士との相性も非常に重要です。ストレスを感じずに信頼感をもって長期にわたる交通事故トラブル解決を任せるには、当初の段階から相性の良い弁護士を選ぶべきといえます。
法律相談を受けた際「説明がわかりやすい」「納得感がある」「質問しやすい」「話しやすい」と感じられる弁護士を選びましょう。
費用がリーズナブル
弁護士を選ぶとき、弁護士費用も重要な要素です。ただ安ければ安いほどよいものではありません。解決実績、知識やノウハウ、対応や相性の良さなどもきちんと考慮した上で費用がリーズナブルな弁護士を探しましょう。
具体的には依頼前に見積もりを出してもらい、納得できると感じたら契約するのが良いでしょう。
交通事故に遭ったときには基本的に弁護士に依頼するメリットが大きくなります。ただし小さな事故や物損事故などで弁護士費用特約を使えない場合には費用倒れにならないかしっかりシミュレーション計算してみてください。迷われたときには当事務所の弁護士が状況に応じてアドバイスいたしますのでお気軽にご相談いただけますと幸いです。
交通事故慰謝料のご相談は、弁護士法人サリュへ。弁護士法人サリュは交通事故解決実績20000件以上の安心してご依頼いただける弁護士法人です。
弁護士法人サリュは交通事故解決実績20000件以上の安心してご依頼いただける弁護士法人です。