弁護士に交通事故を依頼すると、弁護士費用がかかるというデメリットがあるものの、弁護士の交渉によって賠償金が増額する可能性があります。

つまり、弁護士費用以上に賠償金が増額した場合は、お客様にとってプラスとなります。

それでは、お客様にとってプラスとなるケースとは一体どのような場合なのでしょうか?その場合、弁護士に依頼するかしないかによって、どれくらい金額が違うのでしょうか?

様々な状況の交通事故のケースを想定しながら、弁護士に依頼する場合と依頼しない場合の金額を比較してご説明いたします。

なお、ここでご紹介するケースはあくまで一般例であり、お客様の事故の状況やお怪我の状況によって賠償金は変動します。全てのお客様について下記の金額が保証されるわけではありませんので、ご了承ください。お客様の個別事情に即して費用のお見積りを知りたいという方は、当事務所の無料相談をご利用ください。

弁護士に依頼した方が良いケース

お客様にとってプラスになる可能性があるケースは、下記のとおりです。下記のいずれかに該当する方は、弁護士に依頼することをお勧めいたします。

ケース① 弁護士費用特約が付いている人

ご自身の自動車保険に「弁護士費用特約」が付いている場合は、弁護士費用は保険金によってまかなわれます。つまり、お客様のご負担はゼロ円です。費用面のデメリットはありません。

弁護士費用特約」とは、自動車保険の契約者や家族が交通事故に巻き込まれた場合に、その示談交渉を弁護士に依頼する費用をカバーする特約です。弁護士費用特約は、「弁特(べんとく)」とも呼ばれます。

例えば、赤信号で停車中に追突されて車体に傷が生じたケースを考えてみましょう。

弁護士に依頼することによって賠償金が20万円増額した場合は、下記の計算となります(ご自身で交渉した場合に相手から受け取る賠償金が130万円のケースを想定してご説明します)。

ご自身で交渉する場合弁護士に依頼する場合
相手から受け取る賠償金130万円150万円(20万円アップしたとします)
弁護士費用0円0円 (弁護士費用特約がない場合の弁護士費用は27万円(内訳は、150万円×8%+15万円)ですが、弁護士費用特約を利用する場合は弁護士費用特約を利用する際の料金表に基づき保険会社が支払うため、お客様にご負担はありません。)
合計130万円150万円  *お客様にとって20万円の増額
弁護士費用特約が付いているケース

よって、お客様にとって20万円のプラスとなります。

人身事故

上記のケースのように、「人が怪我をすることはなく、単に物が壊れただけの事故」のことを「物損事故(ぶっそんじこ)」といいます。これに対して、「人が怪我をしたり、人が死亡するような重大な事故」のことを、「人身事故(じんしんじこ)」といいます。

物損事故では、損害賠償として請求できる対象は「事故で壊れた物」に限られます。車体の修理費用、買い替え費用、代車料、休車損害などです。

物損事故では、慰謝料休業損害が原則として認められません。人身事故に比べると賠償金の項目が少ないため、賠償金の金額が低くなる傾向があり、弁護士に依頼しても賠償金が増額できない可能性があります。つまり、弁護士費用特約が付いていないお客様は、怪我がなく、物損事故だけを弁護士に依頼した場合、費用倒れになるおそれもあります。

しかしご自身の自動車保険に「弁護士費用特約」が付いている場合は、弁護士費用が(数千万円に上る高額な賠償金を獲得した場合を除き)保険金によってまかなわれるので、物損事故だけであっても費用倒れになる心配がありません。

なお、保険金には上限が定められています。保険金の上限金額は、保険会社によって異なりますが、一般的には1事故につき300万円です。数千万円に上る高額な賠償金を獲得できた場合には上限を超えることがありますが、物損事故のケースで弁護士費用が300万円を超えることはほぼありません。もし万が一、上限を超える可能性がある場合には、お客様が弁護士にご依頼する前に、きちんとその旨をお伝えいたします。

弁護士費用特約が付いているかどうか分からない場合は、ご自身の保険の契約書を確認してみましょう。契約書が手元に無い場合は、保険会社に連絡すると教えてもらえます。

ケース② 後遺障害が残る人

交通事故の後遺障害が残る人は、交通事故を弁護士に依頼することがお勧めです。後遺症が残るほどの重大な怪我を負っている人は、賠償金が高額となるため、保険会社が賠償金を低額に済ませようとする傾向があります。後遺症が重ければ重いほど、この傾向は強くなります。このため、ご自身で示談交渉を進めようとすると、適正な賠償金を受け取ることができない可能性があります。

一般的に、保険会社は、後遺障害が重ければ重いほど、賠償金を下げようとする姿勢が強くなるため、適正な金額との差額が大きくなります。よって、後遺障害が重大な人ほど、交通事故を弁護士に依頼すると賠償金が増額する可能性が高くなり、増額しうる幅も大きくなります。

後遺障害の慰謝料は、「後遺障害の程度」に応じて算定されます。後遺障害が重症であればあるほど、慰謝料の金額も高くなります。後遺障害の程度は、「後遺障害等級」によって決まります。後遺障害等級には、第1級から第14級まであります。第1級が最も重症であり、第14級が最も軽症です。

例えば、後遺障害等級第12級に認定されたケースを想定してみましょう。交通事故を弁護士に依頼して後遺障害等級認定で12級を獲得し賠償金が200万円アップしたケースでは、弁護士費用は下記の計算になります(ご自身で交渉した場合に相手から受け取る賠償金が350万円のケースを想定してご説明します)。

ご自身で 交渉する場合弁護士に依頼する場合
相手から受け取る 賠償金350万円550万円(慰謝料逸失利益で200万円アップしたとします)
弁護士費用0円64万円 (550万円×8%+20万円)
総額350万円486万円(賠償金550万円-弁護士費用64万円)  *お客様にとって136万円の増額
後遺障害が残るケース

よって、このようなケースでは弁護士費用を差し引いても、お客様にとって136万円のプラスとなります。

既に後遺障害等級が認定されている人や、医師から「後遺症が残るかもしれない」と言われている人は、交通事故を弁護士にご相談されることが特にお勧めです。

ケース③ 入通院期間が長い人

事故による怪我を病院で治療した場合、「傷害慰謝料」の対象となります。「傷害慰謝料」とは、事故によって怪我をして病院で治療を受けたことに対する慰謝料です。「入通院慰謝料」とも呼ばれます。

一般的に、入院期間や通院期間が長くなるに連れて、治療費と慰謝料(傷害慰謝料)が高額になります。このため、治療期間が長ければ長いほど、保険会社が賠償金の支払いを渋る傾向が強くなります。保険会社は、「相当な額」を払う義務がありますが、「相当な額」がいくらかは話し合いによって決めればいいルールとなっているので、民間企業である保険会社としては当然、低い額で話し合いをしようと考えます。

以上の理由により、入通院期間が長くなるに連れて、保険会社との交渉が難航するおそれが高くなります。

治療期間が長くなると、保険会社から「そろそろ治療を終わりにしませんか」という電話がかかってきたり、「今月で治療費の支払いを打ち切るので、どうしても治療を続けたい場合は、自費で病院に通ってください」と言われることがあります。このような保険会社からの嫌がらせに屈しないためにも、治療が長引いている方は弁護士にご相談ください。

なお、法律事務所の中には、「治療中の方からの法律相談は受けられません」という方針の事務所や、「治療が終了してから相談に来てください」という方針の事務所もあります。当事務所では、治療中のお客様からも積極的にご相談を受け付けておりますので、「まだ治療中である」というお客様も、どうぞ安心してご相談ください。

ケース④ お怪我をしてお仕事や日常生活に支障が出ている人

交通事故でお怪我をした場合、お仕事を休まなければいけないことがあります。治療の経過によっては、数ヶ月単位や年単位でお仕事を休まなければいけないこともあります。お怪我が重い場合には、外回りの仕事や立ち仕事ができなくなり、職場にお願いして配置換えをしてもらう方もいらっしゃいます。お怪我の状況によっては、会社から解雇される方もいらっしゃいます。

このように、お仕事に支障が出て収入が下がった場合、それを損害賠償として請求できます。このような損害のことを、「休業損害」といいます。

休業損害は、正社員のサラリーマンに限らず、主婦の方や、自営業の方や、公務員の方も対象となります。派遣社員やアルバイト社員も請求できます。

休業損害の計算方法は、お客様の状況によって異なります。有給休暇を使用したかどうか、サラリーマンか自営業者か、外回り中心の業務かデスクワーク中心の業務か、医師から休業の指示があったかどうかなどによって、算定方法が変わります。

このため、休業損害の証明に法律的な知識が必要となる場合もあります。そのような場合には、ご自身だけで交渉を進めると適正な金額の賠償金を受け取ることができないおそれがあります。

このようなおそれを避けるためにも、交通事故は弁護士にご依頼されることがお勧めです。

また、専業主婦(主夫)の方が交通事故にあった場合、家事や育児に支障が出ることがあります。専業主婦(主夫)の方は、現実的には金銭収入を受け取っていないものの、お怪我によって家事や育児ができなくなった場合は、損害賠償の対象となります。このような損害も、「休業損害」と呼ばれます。

専業主婦(主夫)の休業損害の立証に際しては、兼業主婦(主夫)の場合や、ベビーシッターを利用した場合なども、お客様の状況に応じて臨機応変に対応しなければいけません。交通事故によって家事や育児に支障が出ている方は、交通事故を弁護士にご相談ください。要介護状態の親族を介護している場合にも休業損害を請求できる場合がありますので、ご相談ください。

交通事故でお悩みの人は無料相談をご利用ください

ご自身の保険に弁護士費用特約が付いている場合や、後遺障害が残りそうな場合や、治療が長引いている場合などは、弁護士に依頼するとお客様のお受け取りする金額がアップする可能性がありますので交通事故を弁護士に一度ご相談されることをおすすめします。

物損事故だけのケースでは、弁護士に依頼すると費用倒れになる可能性もありますが、弁護士費用特約が付いている場合は物損事故であっても費用倒れの心配はなくなる場合が多いです。

なお、今回紹介した事例は、あくまで一般的なケースを想定しています。お客様の事故の状況やお怪我の状況によって、賠償金や弁護士費用は変動します。また、今回紹介した事例では、当事務所の料金体系に沿って弁護士費用を計算しているため、他の法律事務所に依頼する場合には料金が異なる場合があります。

お客様の個別状況に応じて具体的なアドバイスを聞きたいという方は、当事務所の無料相談をご利用ください。無料相談は、お問い合わせフォームからご予約いただくことも可能です。お電話でのご予約も受け付けております。弁護士に依頼する場合のお見積りが気になる方は、ぜひお気軽に無料相談をご利用ください。

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