相続を弁護士に依頼した場合の費用について

遺産相続に関する手続きを弁護士に依頼すると、どのくらいの費用がかかるのでしょうか？弁護士費用には相談料、着手金、報酬金などいろいろな費用項目があり、「わかりにくい」と感じる方が多いでしょう。

相続を弁護士に依頼した場合に発生する費用の種類や相場をわかりやすく解説します。

遺産相続に関する弁護士費用の種類

遺産相続に関して発生する弁護士費用には以下のような種類があります。

• 相談料

弁護士に相続について相談したときにかかる費用です。

依頼すると相談料はかからないので「依頼前の相談」についての費用と理解しましょう。相場は30分5500円（税込み）くらいです。

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• 着手金

弁護士に遺産分割協議や調停、遺留分侵害額請求などの手続きを依頼するとき、当初にかかる費用です。依頼内容や事務所によって大きく金額が変わります。

• 報酬金

弁護士に協議や調停などを依頼して「解決できたとき」にかかる費用です。解決内容に応じて金額が変わり、依頼者の得た利益が大きければ報酬金も高額になります。

• 手数料

書類作成や裁判所への申請などの単発の手続きにかかる費用です。手続きの内容や依頼する事務所によって金額が変わります。

• 実費

裁判手続きを行うときに支払う印紙代や郵便切手代などの実際にかかる費用です。

• 日当

弁護士が出張したときの手当です。相場として半日なら1～3万円程度、1日なら3～5万円程度となっています。

遺産相続に関する弁護士費用の相場

遺産分割協議、調停の代理

遺産分割協議の交渉や調停代理を依頼すると、依頼時に着手金、解決時に報酬金が発生します。

着手金の相場                    

協議の場合には10～30万円程度、調停であれば30万～50万円程度が相場です。ただし複雑な事案であれば高額になる可能性がありますし、事務所の報酬基準によっても金額が変わります。

報酬金の相場

報酬金は「経済的利益」によって算定されるのが一般的です。多くの場合「経済的利益（例　得られた遺産の評価額）の10～20％程度」となるでしょう。

遺産分割協議書の作成

自分たちで遺産分割協議を行い「遺産分割協議書の作成」のみ依頼した場合には10～20万円程度の費用がかかる場合が多いです。

相続放棄の申述

「借金を相続したくない」などの事情で相続放棄の申述を弁護士に依頼すると、10万円程度が弁護士費用の相場となります。

遺留分侵害額請求

不公平な遺言や贈与が行われて納得できない場合、一定範囲の相続人は「遺留分侵害額請求」ができます。遺留分侵害額請求の交渉や調停、訴訟を弁護士に依頼すると、着手金や報酬金がかかります。

交渉の場合

交渉を依頼すると、着手金として10～30万円程度、報酬金として「得られた経済的利益の10~20％程度」の費用がかかります。

調停や訴訟の場合

遺留分侵害額調停や遺留分侵害額訴訟を提起する場合、着手金の相場は30万円以上になります。報酬金は回収できた遺留分侵害額（経済的利益）の10～20％となるケースが多いでしょう。

遺言書の作成

遺言書の作成を依頼すると、手数料として10～20万円程度の費用がかかります。ただし遺産内容が複雑なケースなどではより高額になる事務所が多数です。

遺言執行者への就任

遺言執行者への就任を依頼する場合、遺言内容によって費用が大きく変わってきます。ざっくりした相場を述べると30万円以上の費用がかかる事務所が多いでしょう。

弁護士費用の払い方、支払のタイミング

弁護士費用は基本的に、発生したタイミングで一括払いする必要があります。

たとえば遺産分割協議を依頼する場合、依頼時に着手金を一括で支払います。ただし一括払いできない場合には、弁護士との交渉によって分割払いできる可能性があります。

多くの場合、現金か銀行振込み

多くの事務所では「現金払い」か「銀行振込」になります。法律相談料についてはその場で現金で払わねばならないケースがほとんどなので、相談時には現金を持参しましょう。着手金や手数料などのまとまった金額については銀行振込みできるケースが多数です。

報酬金は相手方からの受領金額から天引き

相手方から支払いを受ける場合、弁護士がいったん預かって報酬金との精算後、天引きした金額を依頼者へお返しします。この場合、依頼者が自分でお金を用意する必要はありません。

クレジットカードや電子マネー、キャッシュレスペイについて

クレジットカード払いや電子マネー、キャッシュレスペイなどで支払えるかどうかは、事務所によって異なります。ある程度以上の規模の事務所や都会の事務所ではクレジットカードなどで支払えるケースもあります。ただし現状は、現金が必要となるケースが多いでしょう。

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