遺産相続を相談する弁護士の選び方

遺産相続について相談するとき、どのような弁護士が良いかご存知ですか？もちろん、どのような弁護士でもよいわけではありません。弁護士によって注力分野とそうでない分野があるため、「遺産相続に力を入れている弁護士」を選びましょう。

遺産相続を相談する弁護士の選び方をお伝えします。

遺産相続の実績の高い弁護士

遺言書作成や遺産分割協議の代理交渉などの遺産相続案件を相談するなら、まずは「遺産相続の解決実績」の高い弁護士を探しましょう。ふだんから相続に力を入れていて多くの案件を解決してきた弁護士であれば、依頼者の個別状況に応じた的確なアドバイスができます。

これまでの解決例や解決実績数などがWEBサイトに記載されているケースがあるので、確認してみてください。

研究熱心、相続の解決事例について法律専門誌に掲載実績等がある

遺産相続の法律問題について研究熱心で、最新の法改正や判例研究などを怠らない弁護士は良い弁護士です。WEBサイトなどで改正法の解説や最新判例の紹介をしていたり、遺産相続関係の著書があったりする弁護士は相続関係に詳しい可能性が高いと考えられます。

他業種と連携してワンストップで対応してくれる

遺産相続案件は弁護士だけでは解決しにくく、以下のような専門家の関与を要するケースがよくあります。

• 司法書士…不動産の名義変更
• 税理士…相続税の計算や申告
• 不動産会社…相続物件の活用や処分、売却
• 不動産鑑定士…相続不動産の評価を知る
• 土地家屋調査士…相続した土地の測量を行う（不動産売却の際に境界確定しなければならないケースなど）

上記のような各種の専門家と連携している弁護士であれば、ワンストップですべての相続問題に対応してもらえます。連携関係のない弁護士の場合、相続登記の際には司法書士、相続税申告の際には税理士を、自分で探さねばなりません。

相続に力を入れている弁護士は他士業とも連携しているケースが多いので、依頼前に対応状況を確認してみるとよいでしょう。

不利な情報も提供してくれる

良い弁護士は、依頼者にとって有利な情報だけではなく不利な情報も提供してくれるものです。

相談者としてはリスクやデメリットを聞かされると「依頼するのをやめておこうかな」と考える可能性がありますが、知っておかないと本人のためになりません。

依頼者の利益を考えるなら、リスクやデメリットについても情報提供すべきです。

相談者が希望を述べたときや弁護士が解決方法を提案するとき、その方法によって発生するリスクやデメリットも説明してくれる弁護士を選びましょう。

丁寧に対応してくれる、コミュニケーションがスムーズ

丁寧に対応してくれてコミュニケーションをとりやすい弁護士を選ぶようお勧めします。

人には「相性」があります。特に遺産分割協議や調停などの代理人を依頼すると1年以上の長期にわたる付き合いになるケースも多いので、「自分に合った弁護士」「気持ちよく依頼できる弁護士」を選ぶことが大切です。

相談したときに「話しやすい」「質問しやすい」「説明がわかりやすい」弁護士はあなたに合った弁護士といえるでしょう。

「ちょっと違うかもしれない」と感じるなら、別の弁護士にもあたってみてから最終的な依頼先を検討してみてください。

費用が高額すぎない

弁護士費用も重要な要素です。安ければよい、というものではありませんが、高額過ぎると依頼者にとって不利益になります。どんなに相続に関して詳しい知識や実績があり親切に対応してくれる方であっても、相場から大きく外れる高額な事務所は避けるのが無難です。

相続税や贈与税についての知識がある

相続案件に力を入れている弁護士は、税金についても最低限の知識をもっているのが一般的です。

これから相続を迎える方であれば、効果的に相続税を節税するための「贈与税」の知識が必要です。相続人には相続税の基礎控除や代表的な控除制度などについての知識が必要となるでしょう。

税金についても考慮しながら最善の対処方法を提案してくれる弁護士が、遺産相続に詳しい良い弁護士といえます。

ランキング記事や口コミ評価について

巷には「弁護士のランキング記事」や「口コミ評価サイト」がありますが、内容を鵜呑みにするのは危険です。これらの記事は、実際には弁護士に相談したことのない広告収入目的の記事であるケースも少なくありません。

弁護士事務所自身が運営するサイトの情報を確認して選ぶようお勧めします。

「専門」という表現について

弁護士サイトをみると「遺産相続専門」という表現を使っている事務所もあります。ただし本当に相続が「専門」かどうかの客観的な根拠が提示されてない場合は、鵜呑みにしない方がよいでしょう。

法律専門誌への相続の解決実績の掲載や、著書、他業種との連携関係など、客観的な評価基準によって弁護士を選定してください。