交通事故で困ったことや疑問があれば、すぐに弁護士に相談しましょう。アドバイスだけで解決できるケースもありますし、対応が必要であれば弁護士に示談交渉や後遺障害認定等の手続きを依頼できます。
今回は交通事故トラブルで弁護士に相談すべきタイミングを11つ、ご紹介していきます。
基本的には「できるだけ早いタイミング」で相談すべき
交通事故に遭ったら、できるだけ早い段階で弁護士に相談すべきです。
できれば事故直後に相談を受けておくべきですし、入院してすぐに相談できなかったとしても退院後や疑問や不安を感じたときに相談を受けましょう。
弁護士に相談すると、状況に応じた適切なアドバイスを受けられます。自己判断で対応すると後遺障害認定を受けられなくなったり賠償金を不当に減額されたりして不利益を受ける可能性がありますが、弁護士のアドバイスに従っておけばそうした不利益を避けられます。
自分1人の力ではどうしようもないときでも、弁護士に示談交渉や訴訟を任せれば被害者の権利を適切に実現できて、充分な賠償金を受け取れるものです。加害者の刑事事件に参加して意見を述べたり尋問したりもできます。
交通事故トラブルのあらゆる状況へ適切に対応し、被害者を守るのが弁護士の仕事です。困ったときには一刻も早くご相談ください。
弁護士に相談すべき11のタイミング
以下では弁護士に相談すべき個別のタイミングをご紹介します。主に以下の11つにあてはまる場合、すぐに相談されると良いでしょう。
- 事故直後
- 病院の対応に不安を感じたとき
- 保険会社の対応に納得できない、不安を感じたとき
- 治療打ち切りを打診されたとき、治療費を打ち切られたとき
- 後遺障害認定の手続きを進めたいとき
- 示談交渉を開始するとき
- 過失割合に納得できないとき
- 提示された金額が正しいかわからない、納得できないとき
- 示談書や免責証書への署名押印を求められたとき
- 保険会社が弁護士をつけたとき
- 示談が決裂して訴訟等が必要になったとき
事故直後
事故直後は、被害者にとって非常に重要なタイミングです。事故直後の対応しだいで今後の進行や結果が大きく変わるケースも少なくありません。
- きちんと人身事故として届出をしたか?
- 通院先の選定は妥当か?
- 必要な検査を受けたか?
- 今後どのようなことに気を付けて通院すれば良いのか?
- 解決までの流れは?示談交渉はいつ始まるのか?
- 保険会社の担当者へどのように対応すれば良い?
弁護士ならこうした疑問や不安に応えられます。自己判断で対処せず、早めに弁護士のアドバイスを受けましょう。
病院の対応に不安を感じたとき
交通事故でけがをしたら入通院治療を受けますが、病院の対応に不安を感じる方が少なからずおられます。
実際、交通事故では健康保険を利用して治療をすることができるのに病院が拒否をしたり、痛みが残っているのに後遺障害診断書の作成に応じてもらえない病院もあります。適当に病院を選ぶと適切な対応を受けられない可能性があるので注意しましょう。
健康保険や労災保険を適用すべきか迷ったときにもメリット・デメリットを含めたアドバイスを受けられますし、転院が必要であればそういった指示も受けられるでしょう。
病院関係で不安を感じたら、弁護士に相談してください。
保険会社の対応に納得できない、不安を感じたとき
交通事故の被害者は、保険会社の対応に不満を感じるケースが多々あります。
- 加害者側の保険会社が真摯に対応してくれない
- 保険会社の担当者と連絡がつきにくい
- こちらの言い分を聞いてくれない
- 一方的に責められる
保険会社の対応に納得できないなら、1度弁護士に相談しましょう。弁護士なら、本当に相手に問題があるのかどうかわかりますし、問題があるようなら状況に応じた対応が可能です。
被害者自身が対応しても改善できなければ、弁護士に代理人を依頼しましょう。弁護士に窓口対応を依頼すれば保険会社とのやりとりはすべて弁護士が行うので、被害者がこれ以上ストレスを溜めることはありません。
治療打ち切りを打診されたとき、治療費を打ち切られたとき
交通事故被害者の通院期間が長くなると、加害者の保険会社から「そろそろ治療を終了しましょう」などと言われて治療の打ち切りを打診されるケースが多々あります。被害者が従わずに通院を続けると、一方的に治療費を打ち切ってしまいトラブルに発展することもあります。
このように保険会社から治療の終了を打診されたり治療費を打ち切られたりしたら、すぐに弁護士に相談してください。
交通事故後の治療は「症状固定」まで続けなければなりません。保険会社が症状固定前に治療費を打ち切ったなら、被害者の健康保険や労災保険を適用して通院を継続する必要があります。保険会社に従って治療をやめてしまうと、入通院慰謝料を減額されたり適切な治療を受けられず症状が放置されたり、後遺障害認定を受けにくくなったりするリスクが発生します。
自己判断で対応せず、必ず弁護士に相談して適切な対処をしましょう。
後遺障害認定の手続きを進めたいとき
交通事故後、治療を終えて「症状固定」したら「後遺障害認定」の手続きを進めるものです。
このとき、被害者が自分だけで対応すると適切な等級の後遺障害認定を受けられず、慰謝料等の賠償金を減額される可能性があるので要注意です。
後遺障害認定の方法には「事前認定」と「被害者請求」の2種類があります。
- 事前認定
加害者側の任意保険会社に後遺障害認定の手続きを任せる方法です。
- 被害者請求
被害者が自分で後遺障害認定の手続きを進める方法です。
被害者が弁護士を立てていない場合、多くのケースで事前認定を利用します。ただ事前認定では相手の保険会社に後遺障害認定の手続きを任せてしまうので、どのような方法で対応されているかがまったくわかりません。被害者側に有利な資料を出してもらえる確証もなく、後遺障害非該当となったり本来よりも認定等級が下がってしまったりするケースもよくあります。
後遺障害が認定されるかどうか不安な場合、被害者請求を利用すべきです。
弁護士に相談したら、状況に応じて事前認定と被害者請求のうち適切な方法を選択して対応するので適切な等級認定を受けやすくなります。
示談交渉を開始するとき
症状固定したら、保険会社との示談交渉を開始しますが、その際には必ず弁護士に相談するようお勧めします。
被害者が保険会社と示談交渉をすると、低額な「任意保険基準」を適用されたり被害者側の過失割合を大きくされたりして賠償金を減額されやすいからです。被害者が自分で示談交渉をすると本来もらえるはずの賠償金を受け取れなくなって大きな不利益を受ける可能性があります。
弁護士が対応すると法的な賠償金計算基準(弁護士基準)をあてはめ過失割合も適正な数値とするので、賠償金が適正額になります。きちんと被害者の権利を実現して高額な賠償金を受け取るため、必ず弁護士に相談してみてください。
過失割合に納得できないとき
保険会社の担当者と話をしていると、相手から「過失割合」についての意見を伝えられるタイミングがあります。そのとき、被害者が「そんなに自分の過失割合が高いはずがない」と感じて不満を感じるケースが少なくありません。また疑問や不安を感じなくても、安易に受け入れるのは危険です。保険会社の主張する過失割合が必ず適正とは限らないからです。
事故の状況に応じた適正な過失割合を知るには、弁護士に相談するのがもっとも確実です。自分で文献などをあたって調べるのも不可能ではないですが「修正要素」などもあるので正確に算定できない可能性があります。
無料相談を利用すればお金はかからないので、保険会社の主張する過失割合が正しいかどうか、弁護士に尋ねてみてください。
提示された金額が正しいかわからない、納得できないとき
保険会社と示談交渉を進めると、相手から「示談金額」を提示されるタイミングがあります。
保険会社が提示する示談金額は、保険会社が考えた損害賠償額についての提案金額です。賠償金の種類や金額、過失割合などを前提に最終的に被害者へ支払う金額が明らかにされています。
被害者が保険会社の提示した示談案に納得すれば、示談書や免責証書が送られてきて示談が成立します。
ただ、保険会社の提示する示談金額は必ずしも適正ではありません。保険会社基準で計算しているので各種の慰謝料や賠償金が減額されている可能性がありますし、過失割合も適正ではないケースがよくあります。そのまま受け入れると損をしてしまうでしょう。
示談金額の提示を受けたり示談案の書類が送られてきたりしたら、簡単に承諾せずに弁護士に相談してみてください。弁護士であれば、適正な金額になっているかどうか判断できます。
金額が不足する場合や計算方法が正しくない場合、弁護士が示談交渉に対応して修正を求めることも可能です。弁護士が対応するともともとの示談案の数倍以上の賠償金が払われるケースも多いので、必ず事前に相談しましょう。
示談書や免責証書への署名押印を求められたとき
保険会社との示談交渉が進むと、最終的に「示談書」や「免責証書」という書類が送られてきます。被害者がこれらに署名押印して返送すると正式に示談が成立し、保険会社から定められた保険金が振り込まれます。
いったん示談書や免責証書に署名押印したら、覆すのは基本的に不可能です。「本当はもっと賠償金を受け取れるはずだった」と言っても通用しません。署名押印する前に「示談内容が適正になっているか」確認しておくべきです。
まずは弁護士に保険会社から送られてきた示談書等の書類を見せて、署名押印して返送しても問題ないか、確認してみてください。不適切であれば、弁護士に示談交渉を任せて適正な金額まで引き上げましょう。
保険会社が弁護士をつけたとき
交通事故で保険会社ともめると、保険会社が弁護士を立てるケースが多々あります。
すると保険会社側の弁護士から被害者宛に内容証明郵便などで「受任通知」が送られてきて、被害者が大きなプレッシャーを受けてしまいます。「これから裁判されるのだろうか?」「もう賠償金を払ってもらえないのか?」など不安を抱えてしまうでしょう。
相手に弁護士がついたからといって必ず裁判になるとは限りません。また相手に弁護士がついていても、法的に適正な金額の賠償金を請求できるので、不安に感じすぎる必要はありません。
ただ相手に弁護士がついたなら、こちらも弁護士をつけて対等な立場で交渉を進めるべきです。被害者側が1人で対応すると、不利になってしまう可能性が高いからです。
保険会社側が代理人弁護士をつけたら、すぐに自分の味方になってくれる弁護士を探すために相談をしましょう。
示談が決裂して訴訟等が必要になったとき
示談が決裂すると、訴訟などの対応が必要となります。
被害者が1人で訴訟を進めるのは困難ですので、弁護士に相談しましょう。
訴訟ではなく調停やADRを利用するケースもありますが、その場合でも被害者側に有利に進めるには弁護士によるアドバイスを受けておくと安心です。
示談が決裂したら、どういった手続きを進めるのが良いのかも含めて弁護士に相談されるようお勧めします。
弁護士を選ぶときには「交通事故に積極的に取り組んでいる弁護士、交通事故解決実績の高い弁護士、被害者のために熱意を持ってはたらいてくれる弁護士」を探してみてください。
まとめ
交通事故に遭ったら、すぐに弁護士に相談しましょう。その後も迷ったときや困ったとき、保険会社や加害者の対応に納得できないタイミングがあれば躊躇なく相談すべきといえます。当事務所では交通事故被害者専門の弁護士として、被害者のサポートに積極的に取り組んでいますので、是非とも一度ご相談下さい。