飲酒運転が社会問題化するに連れて、法規制も強化されています。平成19年に飲酒運転の厳罰化がなされ、平成21年には行政処分も強化されました。

この影響により飲酒運転の件数は減少したものの、令和元年には3,047件もの交通事故が発生しています(警察庁による統計)。ある日突然飲酒運転の被害にあう危険は、日常生活に潜んでいます。

それでは、飲酒運転に巻き込まれた場合、どうしたら良いのでしょうか?飲酒運転の交通事故が起きた場合、民事事件としての示談交渉だけではなく、警察での刑事手続きも必要となります。警察での刑事手続きと民事事件としての示談交渉は、どのように進むのでしょうか?

飲酒運転に巻き込まれた場合の手続きの進め方と、示談交渉のポイントについて解説します。

飲酒運転による交通事故の手続き

飲酒運転による交通事故に巻き込まれた場合、刑事事件の手続きと民事事件の手続きが平行して進みます。それでは、大まかな流れを見てみましょう。

警察による取調べ

まず、警察による取調べが行われます。

飲酒運転に巻き込まれた場合、安全な場所に車を停めて、すぐに警察に110番通報しましょう。事故現場の目印や住所を伝えると、すぐに警察が駆けつけてくれます。

警察が到着するまでは、安全な場所で静かに待機しましょう。できるだけ事故現場の物は触らず、事故の状況をそのまま保存します。目撃者がいる場合は、警察が来るまで待機してもらいましょう。目撃者が急いでいる場合は、名刺をもらうか連絡先を聞くなどして、後日連絡が取れるようにしておきましょう。

警察が到着したら、加害者と被害者の双方から事情を聴いてくれますので、警察の指示に従いましょう。目撃者がいる場合は、目撃者からも事情を聴きます。場合によっては、その場で加害者が逮捕されます。必ず逮捕されるとは限りませんが、酩酊の度合いがひどい場合や、加害者に前科がある場合などは、その場で逮捕されることがあります。

事故で大きなケガを負った場合は、すぐに救急車を呼びましょう。警察が到着するまで待つ必要はありませんので、救急車が到着したらすぐに病院に向かいましょう。

ご自身の保険会社に連絡をする

ご自身が自動車保険に入っている場合、担当者に連絡して、飲酒事故に巻き込まれたことを話しておきましょう。病院で治療を受ける場合は、病院名や治療方針も伝えておきましょう。

このとき、ご自身の保険に「弁護士費用特約」が付いているかどうかも確認しておきましょう。「弁護士費用特約」とは、交通事故の示談交渉を弁護士に依頼した場合の費用を保険でカバーする制度です。弁護士費用特約が付いているお客様は、ご自身で弁護士費用を払う必要が無いため、安心して弁護士に依頼することができます。

刑事処分の決定

逮捕された加害者は、警察と検察による取調べを受けたうえで、刑事処分が決まります。加害者が逮捕されなかった場合は、後日警察や検察から呼び出しを受けて、事故の状況について取調べを受けます。

取調べの期間は、事故の重大さによって異なります。数日で処分が決まることもあれば、数カ月かかることもあります。

被害者との示談交渉

加害者と被害者との間で、示談交渉を行います。通常は、加害者側から被害者に連絡を取ります。加害者の保険会社から連絡が来ることもありますし、加害者の家族や弁護士から連絡が来ることもあります。

飲酒運転の示談交渉のポイント

加害者が飲酒運転をしていた場合は、過失割合慰謝料の算定に影響が出る可能性があります。

過失割合への影響

過失割合とは、「事故が発生した原因がどちらにどれだけあるのか」を示す割合です。例えば、「Aさんの責任が80%で、Bさんの責任が20%」というように、パーセンテージで責任の度合いを示します。明らかに片方の不注意だけが原因の場合には、「Aさんの過失が100%で、Bさんの過失が0%」と認定されます。

飲酒運転は刑事処分に匹敵する悪質な犯罪行為であるため、相手方に「重過失(著しい不注意)」があると考えられます。このため、相手方の過失が100%となる可能性が高くなります。ただし、相手が飲酒運転をしていた場合であっても、被害者が赤信号を無視して交差点に進入した等の事情があれば、被害者の過失がゼロとならないおそれがあります。

慰謝料への影響

慰謝料」とは、精神的苦痛を受けたことに対する損害賠償です。ある日突然事故に巻き込まれると、被害者の方は大きなショックを受けます。日常生活に戻った後にも恐ろしい事故のことを思い出したり、夜寝ているときに恐い夢を見ることがあります。

飲酒運転は重大な犯罪行為であるため、このような悪質な運転に巻き込まれた被害者のショックは大きいと考えられます。このため、加害者が飲酒運転をしていたという事実は、慰謝料を増額させる方向に働きます。

飲酒運転をした場合の罰則

飲酒運転の刑事罰には、下記の2種類があります。

酒気帯び運転

酒気帯び運転とは、1リットルの呼気(吐き出した息)の中にアルコール濃度が0.15mg以上含まれている状態で運転することです。通常は、警察官がアルコール検知器を使ってアルコール濃度を測定します。

酒気帯び運転をした場合は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金の対象となります。

酒酔い運転

酒酔い運転とは、アルコールの影響により正常な判断ができない状態で運転することです。警察官が事情聴取をした際に、ろれつが回らない場合や、まっすぐに歩けない場合や、手足が震えている場合には、酒酔い運転として検挙されます。酒酔い運転に当たるかどうかは、呼気中のアルコール濃度の数値とは関係がありません。

酒酔い運転をした場合は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金の対象となります。

取締りの対象となる場所

飲酒運転の取締りは、歩行者や車両の安全を守るために行われます。このため、取締りの対象は公共の場所に限られます。外部から完全に遮断されている自宅の敷地内であれば、取締りの対象にはなりません。私有地であっても、スーパーの駐車場や駅の出入口などは、人通りの多い公共の場所と考えられるため、取締りの対象となります。

個人の敷地内は取締りの対象にならないものの、飲酒運転が危険であることには変わりませんので、お酒を飲んだ後は運転をしないように心がけましょう。自宅の敷地内であっても、自宅の壁や塀に追突するおそれがあり、ご家族やご友人にケガをさせてしまう危険もあります。

一般的に、ビールのジョッキ1杯(約500ml)には純アルコールが約20グラム含まれており、体内で分解処理するのに約4時間かかるといわれています(政府広報オンライン)。ビールを1杯でも飲んだ場合は、少なくとも5~6時間は運転を控えましょう。

飲酒運転の交通事故でお悩みの方は当事務所にご相談ください

飲酒運転に巻き込まれた場合の手続きの進め方と示談交渉のポイントについて解説しました。飲酒運転の示談交渉では、過失割合慰謝料の算定が他のケースとは異なります。適正な賠償金を獲得できれば高額となる可能性が高い一方、加害者側の保険会社の言うままに示談をしてしまうと不当に低額な示談金となってしまうおそれもありますので、交通事故を弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

「飲酒運転に巻き込まれたばかりでどうしたら良いのか分からない」という方は、当事務所の無料相談をご利用ください。当事務所では、交通事故のご相談を無料で受け付けております。ご相談の結果、お客様が「弁護士に依頼せずに自分で交渉を進めよう」とお考えになった場合は、当事務所にご依頼していただく必要はございません。こちらから契約を強制することもございませんので、どうぞご安心してご相談ください。

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