高次脳機能障害の後遺障害等級

Q
高次脳機能障害でありえる後遺障害等級は?
A

高次脳機能障害でありえる後遺障害等級は、介護を要する後遺障害1級1号、介護を要する後遺障害2級1号、後遺障害3級3号、後遺障害5級2号、後遺障害7級4号、後遺障害9級10号などです。

後遺障害等級認定の基準

高次脳機能障害により主に想定される等級は、以下の等級です。

等級障害の内容
介護を要する後遺障害1級1号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
介護を要する後遺障害1級1号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
後遺障害3級3号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
後遺障害5級2号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
後遺障害7級4号神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することがでないもの
後遺障害9級10号神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
高次脳機能障害により主に想定される後遺障害等級

要介護1級と2級は、生活を維持するための身の回りの動作に介護を必要とする状態です。全面的に介護が必要な場合は1級、ひとりで外出できず一部の動作に介護を要する場合には2級が認定されます。

後遺障害3級より下の等級については、介護は要しないものの労働に問題が生じているケースが該当します。分ける基準としては以下を参考にしてください。

後遺障害3級

自宅の周辺をひとりで外出できるものの、記憶力・注意力・学習能力・対人関係維持能力などに著しい障害があり、一般就労ができない、あるいは困難

後遺障害5級

単純繰り返し作業であれば就労が可能だが、学習能力・環境適応能力などに問題があり、職場の理解と援助が欠かせない

後遺障害7級

一般的な就労ができるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどの問題がある

後遺障害9級

一般的な就労ができるが、問題解決能力などに障害があり、作業効率や作業持続力に問題がある

後遺障害等級認定

後遺障害の認定を受けるには、

  • 事故直後のMRI・CT画像
  • 医師の見解
  • 家族による生活状況の報告書

などが必要になります。

高次脳機能障害は他の障害に比べて判断が難しく、見落としてしまいかねません。「事故に遭った家族の様子が以前と比べて何かおかしい」とお感じの方は、弁護士へご相談ください。

高次脳機能障害の後遺障害等級認定の詳細の基準

以上のように高次脳機能障害の後遺障害等級の認定は、下表の基準で行われますが、高次脳機能障害に合併した半身の運動麻痺、起立・歩行の不安定等の神経症状も、十分に考慮されて認定されます。

等級の詳細解剖学的部位後遺障害の程度
介護を要する後遺障害1級1号神経系統の機能又は精神身体機能は残存しているが高度の痴呆があるために、生活維持に必要な身の回り動作に全面的介護を要するもの。
介護を要する後遺障害1級1号神経系統の機能又は精神著しい判断力の低下や情動の不安定などがあって、1人で外出することができず、日常の生活範囲は自宅内に限定されている。身体動作的には排泄、食事などの活動を行うことができても、生命維持に必要な身辺動作に、家族からの声掛けや看視を欠かすことができないもの。
後遺障害3級3号神経系統の機能又は精神自宅周辺を一人で外出できるなど、日常の生活範囲は自宅に限定されていない。また、声掛けや、介助なしでも日常の動作を行える。しかし、記憶や注意力、新しいことを学習する能力、障害の自己認識、円滑な対人関係維持能力などに著しい障害があって、一般就労が全くできないか、困難なもの。
後遺障害5級2号神経系統の機能又は精神単純くり返し作業などに限定すれば、一般就労も可能。ただし、新しい作業を学習できなかったり、環境が変わると作業を継続できなくなるなどの問題がある。このため、一般人に比較して作業能力が著しく制限されており、就労の維持には、職場の理解と援助を欠かすことができないもの。
後遺障害7級4号神経系統の機能又は精神一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことができないもの。
後遺障害9級10号神経系統の機能又は精神一般就労を維持できるが、問題解決能力などに障害が残り、作業効率や作業持続力などに問題があるもの。
高次脳機能障害の後遺障害等級認定

自賠責保険の後遺障害で高次脳機能障害と認定されるためには以下の要件があります。

  • 初診時に頭部外傷の診断があったこと
  • 頭部外傷後に重い意識障害が6時間以上あったか、軽い意識障害が1週間以上継続したこと
  • 診断書に、高次脳機能障害、脳挫傷、びまん性軸索損傷等の記載があること
  • 診断書に、高次脳機能障害を示す典型的な症状の記載があり、知能検査、記憶検査等の神経心理学的検査で異常が明らかとなっていること
  • 頭部画像上、初診時の脳外傷が明らかで、少なくとも3ヶ月以内に脳質拡大・脳萎縮が確認されたこと

労災の高次脳機能障害の等級認定と、自賠責保険の高次脳機能障害の等級認定

交通事故の自賠責保険における後遺障害等級認定は、原則として労災保険の等級認定基準に準じて行われます。

しかし労災保険は雇用される人を対象とした保険です。他方、自賠責保険は、交通事故の被害にあう可能性のある子どもや老人・高齢者まで広く対象としています。そのため労災保険における高次脳機能障害の等級認定と、交通事故の自賠責保険における高次脳機能障害の等級認定では、結果が異なる場合があります。

弁護士法人サリュの解決事例

これまで弁護士法人サリュでは高次脳機能障害のご相談を数多くいただき、後遺障害等級を獲得し解決してきた実績があります。ここに一部高次脳機能障害の後遺障害等級認定に関係する解決事例をご紹介します。

片麻痺、高次脳機能障害で後遺障害等級2級を獲得した事例

高次脳機能障害で1級獲得。勝訴的和解を勝ち取った事例

高次脳機能障害 後遺障害等級5級で収入減なくとも7000万円で和解した事例

高次脳機能障害や動眼神経麻痺で異議申立てを行い後遺障害等級5級から3級に上げ7500万円を獲得した事例

交通事故の後遺障害等級認定について詳細は下記よりご確認ください。

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