国土交通省の発表によると、レンタカーの死傷事故件数は全国で年間6,150件です(国土交通省道路局企画課:平成29年8月23日発表資料)。1日あたりに換算すると、およそ17件のレンタカー事故が発生しています。一般的に、レンタカー利用者は旅行やレジャーのために不慣れな場所を運転することが多いため、交通事故が生じる危険性が高いと考えられます。

それでは、交通事故の相手レンタカーだった場合、どのように対応したら良いのでしょうか?示談交渉の相手は誰になるのでしょうか?

今回は、レンタカー利用者が引き起こした事故に巻き込まれた方に向けて、事故時の対応方法示談交渉の流れをご説明します。

事故に巻き込まれたときの対応のポイント

交通事故に巻き込まれたら、まず車を安全な場所に移動して、二次被害を防ぎましょう。同乗者や歩行者にお怪我が無いかを確認して、必要な場合はすぐに救急車を呼びましょう。救急車を待つ間は、怪我人の救護を最優先に考えてください。

救急車を呼ぶために119番通報をすると、そのまま警察に電話をつないでくれることが一般的です。このため、ご自身で警察に連絡をする必要はありません。何らかの事情で警察につないでもらえなかった場合は、ご自身で警察に連絡しましょう。周囲の目撃者や事故の相手方が既に警察に連絡している場合は、改めて連絡をする必要はありません。

警察が到着したら、警察が相手方の住所や氏名等の情報を記録してくれます。相手方がレンタカー利用者である場合は、レンタカー会社の名前や支店、保険会社についても記録してくれます。

通常は、このときに警察が「レンタカー会社にもすぐに連絡してください」と相手方に伝えてくれます。

レンタカー会社のルールでは、事故を起こしたときに直ちにレンタカー会社に連絡しなければ、保険が適用されません。このため、事故現場から直ちにレンタカー会社に連絡をする必要があります。もし相手方がレンタカー会社に連絡していない場合は、すぐにレンタカー会社に連絡するように伝えましょう。

事故現場の様子は警察が記録してくれますが、警察の捜査資料である写真データは、民事のためには提供しくれませんので、ご自身でも写真を撮っておきましょう。デジカメを所持していない場合は、携帯電話のカメラ機能を使いましょう。ドライブレコーダーを搭載している場合は、ドライブレコーダーの記録が消去されないように外部に保存しておきましょう。

警察の調査が終わったら、自宅に帰ることができます。警察が相手方の住所や氏名、レンタカー会社や保険会社の名前を教えてくれるので、メモしておきましょう。メモすることを忘れたとしても、これらの情報は交通事故証明書に記録されますので、後日確認することができます。

事故の責任が100パーセント相手方にある場合は、相手方が事故の損害を補償することになるため、当面は、ご自身で修理費や治療費を支払う必要はありません。

しかし、もしご自身に何らかの過失(不注意)が認められた場合は、その過失の割合に応じて事故の責任を負うことになります。その場合は、ご自身が加入している自動車保険によって治療費や修理費をカバーしてもらうことになります。このため、ご自身に何らかの過失(不注意)が認められる場合に備えて、念のためご自身の保険会社にも連絡しておきましょう。

事故によってお怪我をした場合や車に傷が付いた場合

事故によってお怪我をした場合は、病院での治療が必要となります。事故の責任が相手方にある場合は、治療費はレンタカー会社の保険によってまかなわれます。ご自身の車に傷が付いた場合も、レンタカー会社の保険によってカバーされます。

お怪我が重い場合には、お仕事を休む必要があるかもしれません。お仕事を休んだために収入が減った場合は、「休業損害」として加害者に請求することができます。この休業損害についても、レンタカー会社の保険でカバーされます。事故でお怪我をして辛い思いをしたことについては、相手方に「慰謝料」を請求することができます。慰謝料についても、通常はレンタカー会社の保険の内容に含まれています。

このように、交通事故の損害賠償には色々な種類がありますが、全てレンタカー会社の保険によってまかなわれることが一般的です。このため、示談交渉をする相手は、レンタカーを運転していた本人ではなく、レンタカー会社が加入している保険会社となります。

通常は、事故が起きた直後に保険会社の担当者から連絡がありますので、ご自身で保険会社に連絡をする必要はありません。保険会社から連絡が無い場合は、ご自身で保険会社に問い合わせをしましょう。保険会社の連絡先が分からない場合は、レンタカー会社に確認しましょう。

レンタカー会社の保険でカバーされない場合

レンタカー利用者による交通事故は、レンタカー会社の保険によってカバーされることが一般的です。しかし例外的に、レンタカー会社の保険が適用されないことがあります。例えば、事故が発生したときに事故現場からレンタカー会社にすぐに連絡しなかった場合は、規約に反することになるため、保険適用外となります。

このような場合は、相手方が加入している任意の自動車保険がカバーしてくれる可能性があります。カバーされるかどうかは相手方が加入している保険のプランによって異なりますので、保険会社に確認しましょう。

また、レンタカー会社の保険プランによっては、みなさまの車にかけている通常の対人対物無制限の任意保険と異なり、「免責金額」といって、レンタカーを借りた加害者本人が払わないといけない金額(保険がでない金額)もあるので、加害者が納得しない場合には、紛争が長引くことがあります。

ご自身の保険に弁護士費用特約が付いている場合

ご自身の任意自動車保険に弁護士費用特約が付いている場合は、相手方がレンタカーであっても、その特約を使って弁護士に依頼することができます。弁護士費用特約を使うことができれば、弁護士に依頼する費用特約でカバーされるため、ご自身でお支払いしていただく必要はありません。

ご自身の保険に弁護士費用特約が付いているかどうか分からない人は、ご自身が加入している自動車保険を調べてみましょう。お手元に保険証書や保険の資料が無い場合は、保険会社の担当者に確認しましょう。

レンタカーが引き起こした事故に巻き込まれた場合、通常の事故よりも手続きが複雑となるおそれがありますので、お忙しい方は弁護士にご依頼されることをお勧めいたします。

レンタカーによる交通事故でお悩みの方はお気軽にご相談ください

今回は、事故の相手がレンタカーだった場合について、事故時の対応方法と示談交渉の手続きについてご説明しました。当事務所では、日頃から交通事故に力を入れて取り組んでおり、交通事故の研修や勉強会等を定期的に開催して研鑽に励んでおります。お気軽に交通事故のご相談に来ていただくために、交通事故のご相談を無料で受け付けております。

レンタカー利用者が引き起こした事故に巻き込まれた場合は、通常の事故よりも手続きが複雑となるおそれがありますので、お悩みの方は交通事故に詳しい弁護士にご相談されることをお勧めいたします。当事務所の無料相談は、お問い合わせフォームから申し込んでいただくことが可能です。お電話でのご予約も受け付けております。レンタカーによる交通事故でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。