交通事故の治療に健康保険は使えるか
交通事故の治療に健康保険は使えるか
健康保険を使う場合の必要書類
健康保険を使用する場合は、加害者の代わりに健康保険が肩代わりすることになるため「第三者行為による傷病届」の提出が必要となります。
労災保険を使用する場合は加害者の代わりに労災保険が肩代わりをするため「第三者行為災害届」の提出が必要となります。
交通事故被害者が健康保険を使うメリット
交通事故被害者にとって、とくに過失割合がある場合は健康保険を使用するメリットがあります。端的に言えば、被害者自身の金銭的負担が少なくなります。
健康保険を使用すると、病院は、治療費を健康保険の基準で計算することになります。一方で、健康保険を使わない自由診療とした場合には、病院は、健康保険の基準より高い金額で治療費を計算することになります。つまり、病院の視点でいえば、健康保険を使うより、健康保険を使わない自由診療の方が、収入(治療費)は高くなるのです。
過失割合がゼロの場合
過失がなければ、事故で必要となった治療費の全額を保険会社が払うことになるので、被害者からすれば、健康保険を使うか使わないかで、受け取り額に変更はありません。また、お世話になっている病院も自由診療価格で治療費を受け取ることができます。
過失割合がある場合
しかし、1割でも過失がある場合で、保険会社が病院に治療費を払った場合、治療費の1割は被害者が本来払うべき治療費を保険会社が立て替えて払ったことになり、この分は、あとで、慰謝料から引かれてしまいます。
そして、健康保険を使わずに自由診療となっている場合には、その1割は安くはありません。健康保険を使っていれば治療費全体が安くなっているので、治療費の1割はさらに安くなっています。つまり、過失がある場合には、健康保険を使った方が、後で慰謝料から引かれる金額が減るのです(一方で、病院は健康保険となると収入である治療費の合計額が減ってしまいます)。
他にも、健康保険を使うと自賠責保険の限度額を圧迫しないというメリットがあります。健康保険を使うと1日毎の治療費が減るので、それによって間接的な効果として、結果的に加害者の任意保険会社から治療費を打ち切ると言われるタイミングが遅くなる可能性があります。
健康保険を使うこと、自賠責保険の限度額、保険会社からの「治療費を打ち切る」連絡との関係
どういうことかと申しますと、交通事故の加害者が任意保険に加入している場合、任意保険会社は一括払いというサービスで対応をしてくれるのですが、任意保険会社は、自賠責保険から受け取れる額を超えてはなかなか自社でお金を出したがりません。
- Q任意保険会社の一括払いサービスとは
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被害者は本来、加害者の自賠責保険にまず請求し、自賠責保険の限度額を超えた分の損害額を任意保険会社に請求することになります。しかし加害者が任意保険に加入している場合、任意保険会社は一括払いという対応をしてくれます。それは任意保険会社が自賠責保険の部分も含めてまず被害者に損害賠償金を支払い、あとで自賠責保険に任意保険会社が請求して支払いを受けてくれるというものです。
自賠責保険の限度額は、「自動車損害賠償保障法」(自賠法)に基づき国土交通大臣および内閣総理大臣により、「自動車損害賠償責任保険支払基準」として基準が定められています。例えば傷害による損害に対しては被害者1名につき120万円までと定められています。
自賠責保険では治療費は優先的な支払いの対象となりますが、健康保険を使って治療費を低く抑えずに自由診療で10割負担とすると、この120万円の自賠責保険の支払限度額をどんどん治療費で使ってしまうことになります。
その結果、加害者側の任意保険会社は自賠責保険の限度額が近づいてくると、治療の打ち切り等を被害者に提案したくなる可能性があります。
加害者側任意保険会社からの連絡で、「そろそろ症状固定にしませんか?」という提案も同様です。なお症状固定をするかどうかは主治医の指示に従うべきで、この任意保険会社からの提案をそのまま承諾する必要はありません。
ただ加害者側の任意保険会社から治療費を打ち切るなどと言われると、精神的にもつらくなるでしょう。そういった連絡が来にくくなる可能性を高めるという点も、交通事故で健康保険を使うことのメリットといえるかもしれません。
交通事故で健康保険を使うには手続きが必要
健康保険を使用する際は手続きが必要です。加入している健康保険組合に「第三者行為による傷病届」等の必要書類を提出しなければなりません。
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