損害賠償が減額される理由はいろいろありますが、素因減額によくある事情についてご紹介します。

素因減額とは

Q
素因減額とは?
A

素因減額とは、元々持っていた持病などによって本来ならもっと軽症で済んだはずの怪我や後遺障害が重くなってしまったり、治療期間が長くなってしまったりすることがあるので、そのことに対して減額が行われることをさします。

何が素因減額の対象となるのか

素因として評価されるには、身体的な特徴にとどまらず、「疾患」に該当する必要があるとされています(最判平8.10.29 民集 50巻9号 2474頁)。素因減額は、身体的な理由のほか、精神的な理由によっても、例えばうつなどで治療をしなかったことでひどくなってしまったなどの場合に減額される場合もあります。

高齢者の骨粗しょう症は?

「骨密度が低かった」ということは減額の対象となるのでしょうか。

高齢者は若い人に比べると骨密度が低い傾向にありますし、骨粗しょう症等が進んでいると骨折しやすかったりけがはひどくなりやすいことになります。それによって骨密度の低い高齢者は減額されてしまうのでしょうか。

若い人であれば疾患に該当してしまうため減額の対象となる「素因」になりますが、高齢者の場合は年齢が進めば相当の人が骨密度は低くなる傾向にあり、裁判ではあまり減額されていません。具体的にどのような状況であれば素因減額の対象となるのかということですが、平成26年版赤本講演録において小河原寧裁判官が骨粗しょう症を原因とする素因減額の判断要素について挙げられているのでご紹介します。

  1. 事故の態様や衝撃の規模(衝撃が小さいほど素因減額の可能性が高まる)
  2. 事故前の被害者の状況(事故前から症状が発現していれば、素因減額の可能性が高まる)
  3. 被害者の年齢(若年であれば、素因減額の可能性が高まる)

多少、年齢の平均値よりも骨粗しょう症が進んでいても、事故の衝撃が一定程度大きい事案などでは減額について否定された事案も多くありますので、もちろんその進行具合にもよりますが以上のように加齢の自然な現象の範囲であればそれほど心配には及びません。

弁護士法人サリュの専門書籍【素因減額に関するご紹介】

我々弁護士法人サリュが長年にわたり培ってきた豊富な交通事故実務の知識や経験に基づく交通事故の専門書籍「適切な賠償額を勝ち取る交通事故案件対応のベストプラクティス」(編集代表 弁護士平岡将人。中央経済社)において、素因減額に関する詳細なご説明をしております(P163~P164)。素因減額に関し、より詳しくお知りになりたい方はぜひご参照ください。

・素因減額
・過去の治療履歴からの素因減額を争う
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