女性が主婦をする場合と同様、どうしてもパートナーの収入によって生活を立てていると弱い立場になりやすいのは現実問題としては事実です。しかし、それとモラハラも甘んじて受けなくてはいけないかというのは全く別問題であり、本来は外部から給与や収入を得ているか否かというのは、家族の立場の強弱には全く関係のない事柄です。

夫婦は本来対等であるべきですし、あなたが外で仕事をしているかどうかはそれには全く影響を及ぼさない事実であるべきです。

日本はまだまだ男性社会であるという色彩の強い国ですから、どちらかというと、男性が家庭に入ることよりも女性が家庭に入ることの方が数としては断然多いです。妊娠出産ということもあるので女性が家に入りがちなのには生物学的な側面もあります。ですが、そもそもお子さんのいないご家庭にはどちらが家に入りやすい、ということもないですし、お子さんがいても妊娠出産以外の育児は男性にもできます。あなたが主に主夫をしていらっしゃる理由が、単に夫婦で相談のうえ、役割分担としたのか、体調等のご事情で働けないのか、それもどちらでもよいのです。

女性が家庭に入る時も、ご夫婦で相談の上、仕事を続けるか専業主婦になるか決めたり、あるいは働くつもりだったけれど体を壊して辞めざるを得なくなったりすることもあるでしょう。どちらも人間が生きていく上では自然に起こりうることです。

収入がないと多くの人は生活できないので、誰かは働かなくてはいけない場合が多いとしても、どちらが外で働いて、どちらが家庭に入ってもいいですし、どちらも入らなくてもいいのです。

だから、あなたが専業、もしくは主に主夫をしているからといって、それがモラハラの理由になるわけではありません。モラハラの被害者は真面目で我慢強い傾向にあるといわれ、何かあっても、自分にも非があったのではないか、などと自分が悪いと思ってしまうことも少なくありません。

モラハラは、受けている人が悪いのではけしてないのです。ただ、誰が悪いとか悪くないとか、そんなことを言っている間にもエスカレートしがちな側面をももっているのがモラハラです。

一回でけがをしたりする肉体的な暴力と違って、初めはモラハラを受けているとも気づかないうちに、ひどいストレス状況に陥ってしまうことも少なくありません。相手が女性だから大丈夫と思っていると、エスカレートして刃物などを持ち出すようになる人もいます。

一時的にストレスが強く、イライラしてしまったり、失言があったりというのは、長い間家族でいれば全くないことでもないでしょう。ですが、既に離婚について悩むほどモラハラを受けているとしたら、おそらくそれはよくある普通のことではありません。お早めににご相談いただくことをお勧めいたします。

こんなこと言われていませんか?されていませんか?

  • こんな人と結婚したから不幸になった、などとよくいう
  • 自分は遊びに行くのにあなたには外出を禁止する
  • 友達の連絡先を消せと言われた
  • ある程度の期間、無視をする
  • 子供にも夫の悪口をいい無視をさせたりする
  • ちょっと気に入らないことがあると泣いたり暴れたりする
  • 自分は買うのに、あなたのちょっとした買い物にも文句を言う
  • これといった理由もなく嫌みや文句ばかり言う。

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男女を問わず、現在収入のあまりない方は、仮に離婚したいと考えていても経済的なことがネックになり離婚に踏み切れないことがよくあります。ですが、そんなときだからこそ、専門家を頼り、現在のことについて相談してみてください。

世の中には自分が女性で配偶者が男性だというだけで、自分がどんなにひどいことをしても離婚する際に慰謝料を払うのは相手側だと思っている人もいます。「あなたは男なんだから離婚するなら慰謝料払ってもらうからね!」などと言われたことがある方などは、手元に貯金もなければ収入もない状況では離婚も切り出せなくなってしまいます。

慰謝料は精神的な損害を埋めるためのものです。あなたが被害を受けたのであれば、モラハラの慰謝料はもらうとすればあなたの方です。もちろんモラハラは怪我と違って証拠が残りにくい性質のものでもあるので、あなたの方からするとモラハラを受けてそれが離婚の原因となったと感じていても必ずしも慰謝料をもらえるということにはなりませんが、少なくとも、男だから離婚するならあなたが払うもの、ということではないということは知っておいてください。

モラハラは、している方には自覚がないことも少なくなく、そうするとモラハラで離婚したいといっても納得してもらえないケースも沢山あります。何にせよ、証拠はあるにこしたことはありませんから保存できる証拠は保存しておきましょう。メールや録音だけでなく、日記のようなものでも証拠となり得ます。

また、物理的に殴られたりしているわけではないから、まだ大丈夫…と思っているうちにも、あなたの心身は思った以上にダメージを受けていることがあります。明日朝目が覚めたら、どうにも体が動かせない…ということもあるのです。うつ病は、気持ちの問題だ、気合が足りない、などと昔はいう人もいましたが、今では気の持ちようなどではなく、本当に病気で、本人の意思ではどうにもならないということが知られるようになりました。

軽いストレスである間は、その原因がなくなれば気分も比較的すぐ軽くなれっるものですが、うつ病が発症してしまえば、離婚したからすっきり治るというものでもなくなってしまい、その後の生活にも影響を及ぼします。

重症になれば何年も、十何年も影響が出ることもあるのです。

自分は男だから、最終的には力は妻よりあるし、大丈夫、などと考えず、これはモラハラだと確信したら別居を検討してください。経済的に別居も無理だと思ったら、まずは専門家、弁護士にご相談ください。一緒に突破口を探しましょう。

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弁護士法人サリュは皆様と共に歩んで18年以上。安心してご依頼いただける弁護士法人です。

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