弁護士費用について

弁護士費用には、①法律相談料、②着手金、③報酬、④その他実費などがあります。金額が大きいのは着手金と報酬です。このほかタイムチャージ(事件処理に要した時間に単価をかけて弁護士報酬を計算する方法)もあります。

2004年4月から弁護士報酬が自由化されたため、法律事務所によって費用の仕組みが違います。弁護士と契約をする前に、契約内容をしっかり確認することが重要となります。

法律相談料

「法律相談料」「相談料」とは、依頼者が弁護士への相談に対して基本的には時間毎に支払うお金です。

着手金

「着手金」とは、弁護士が事件解決を引き受ける際に依頼者が弁護士に支払うお金です。

報酬金

「報酬金」とは、結果がでた後にその程度に応じて依頼者が弁護士に支払うお金です。

その他実費

その他、弁護士の出張費や事務手続きにかかる諸経費などの実費等も、弁護士費用として依頼者が負担する場合があります。例えば以下のようなものがあります。印紙代、切手代、収入印紙代、翻訳料、謄写料、配送料、振込手数料、予納郵便切手代、郵送代、コピー代、用紙代、手数料など。

交通事故の弁護士費用の相場

交通事故の「法律相談料」の相場・目安

法律事務所により異なるため、一概には言えませんが、

・30分以内が5000円

・30分を超えた場合は15分毎に2500円

という法律相談料を設定している場合が多いようです。

弁護士費用が自由化される前の(旧)日本弁護士連合会報酬等基準では、初回市民法律相談料は30分ごとに5000円から1万円の範囲内の一定額で各弁護士会が定額を定めており、一般法律相談料は30分ごとに5000 円以上2万5000 円以下で各弁護士会が標準となる額を定めていました。

交通事故の「着手金」の相場・目安

着手金などの弁護士費用の相場・目安について参考になるのが、日弁連が弁護士費用のおおよその目安を市民に知ってもらうことを目的に、全国の弁護士にアンケーをしてまとめた2008年の「市民のための弁護士報酬の目安」12~13ページ目「A-7 交通事故」の部分です。

上記アンケート結果を見ますと、交通事故で1000万円を全額回収できた例では、着手金で最も多かったのは「30万円前後」(回答者の48.6%)です。次に多かったのが「20万円前後」(回答者の19.7%)です。20万円前後から30万円前後の間に、約68.3%の回答者がいることがわかります。

(3)交通事故の「報酬金」の相場・目安

同アンケートで交通事故の報酬金で最も多かったのが「50万円前後」という回答です(回答者の35.4%)。ついで「70万円前後」(回答者の18.2%)で、これらを合わせると回答者の53.6%となり半分を占めます。一方で、100万円前後を報酬金としている弁護士が15.5%います。

弁護士費用特約について

被害者自身が加入している任意保険の特約で「弁護士費用特約」(「弁護士特約」や「自動車事故弁護士費用等補償特約」などと呼ぶ保険会社もあります)に加入している場合、多くの保険会社では300万円まで弁護士費用を負担してくれます。弁護士費用特約は自動車保険や火災保険の特約として加入されており、被害者ご自身のものだけでなくご家族の加入されている特約であっても利用できる場合がありますので、ぜひご確認頂くと良いです。

交通事故の弁護士費用は加害者に請求できるか?できる場合、その相場は?

弁護士特約に加入していない場合、弁護士費用は被害者自身が負担することになります。しかし、交通事故の裁判でもし勝訴した場合は、弁護士費用の一部を相手に請求することが可能です。相場・目安としては、認容額の1割程度です。ちなみに、勝訴した場合、弁護士費用に加えて遅延損害金も請求可能です。

けして安くはない弁護士費用の相場。それでも弁護士に依頼した方が良い理由とは?

交通事故の被害者は、加害者が加入している任意保険会社の担当者と賠償の話し合いを進めていくケースが多いのではないでしょうか。しかし、保険会社は営利企業なので、可能な限り自社が支払う保険金を抑えようとするため本来被害者が受け取るべき相場の損害賠償金額よりも低い額を提示してきます。

被害者が単独で交渉しようとしても、保険会社はほとんど応じてきません。しかし弁護士が代理人として被害者側につくことで、驚くほどスムーズに適正な金額の支払いをベースとした話し合いに応じることが多いです。

そのため、弁護士費用は決して安くはないですが、弁護士に依頼した方が損害賠償金自体が大きく上がり、弁護士費用を差し引いても交通事故被害者の手元に入る金額が大きくなることが本当に多いのです。